【第4章】58歳にして叶えた夢「Dilmah」ブランド誕生
しかしその夢の実現までには、大変な困難を伴いました。まず彼が紅茶の製品化を行うために、スリランカで初のティーバッグ製造機を購入した時、それまでメリルの会社から原料茶葉を輸入していた顧客から、猛烈な抗議と反対に遭いました。「ブランド化された紅茶を作るのは、ヨーロッパの大手企業の仕事だろう。スリランカは今までどおり、原料茶葉の輸出だけをやっていればいいんだ」と。そしてようやく製品ができてからも、メリルは売り込みに行った先々の国で、ライバル企業による値下げ競争に行く手を阻まれました。
それでも新鮮なセイロン紅茶が持つ本当のおいしさと高い品質を、世界の消費者に届けたいという思いを忘れず、あきらめないで必死に挑んだ彼の夢が、叶うときがついにやってきました。それが「新鮮・純セイロン産」にこわだり、1988年にオーストラリアで最初に導入された、「Dilmah(ディルマ)」ブランドです。「ディルマ」という名前は、彼の愛する2人の子息「ディルハン」と「マリク」からとったもので、「もう1人の息子のように、大切に育てたい」という、メリルの思いが込められています。24歳で抱いた「自分のブランドを開発したい」という大きな夢。それが実現したとき、メリルは58歳になっていました。まさに人生を賭けて挑んだ夢が、ついに形となったのです。
そしてブランドの設立から20年あまり。ディルマは今日、世界90ヶ国以上に流通し、大手の百貨店や高級ホテル、航空会社でも採用されるなど、「本物のセイロン紅茶のおいしさを、スリランカから産地直送でお届けするブランド」として、たくさんの消費者の方々に愛されています。
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